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本日採決に至りました。
今日に至るまでそうとう議論を尽くしましたが、私は率直に、今回の2010年度予算には疑問を持たざるを得ませんでした。
以下に問題点をまとめました。
議会の懸案 2010年度予算の問題点
・経済の落ち込みによる税収減の見通しの甘さ
名古屋市では今年度よりも1.4%の収入減を見込んでいます。ただし、他都市が税収落ち込みを5%
減前後と見込んでいますが、それに比して1.4%減の計算は、相当甘い見通し。年度途中での資金不足になりかねず、その場合市債の発行を増やして補正予算を組まざるをえない。
・市民税10%減税による税収減
昨年末、議会にて可決された市民税10%減税による減収額の見込みは、2010年度161億円。2011年度は200億円以上。議会では減税の結果、減収に関連して市民サービスの低下の有無の検証が争点。
市長は、市民税10%減税によって、市民サービスの低下は一切行わないと明言。また、議会も、市民税10%減税による市民税減税によって市民サービスの低下を招かないことを条件に条例可決。
・市民サービスへの影響
経済落ち込みによる税収減が必至の状況で市民税減税に踏み切ったことも鑑み、現在行われている、教育、福祉を含めた市民サービスがカットされることのないよう議論がされているが、残念ながら教育、福祉事業に至るまで市長から市民負担増、補助減額、制度廃止が提案されている。
・随所にみられる粉飾
予算は、様々なデータをもとに見通しを立て、それに対してどれだけのお金が必要かを積算し、予算額が決まるが、今回の予算では生活保護費の受給者数を今年度より大幅に少なく見積もって予算を少なくしたり、医療の受診者数の見込みを、今年度より大幅に落として数字合わせをしている。他にも、災害等の緊急時のための基金を取り崩し、予算に組み込むなど、10%減税ありきで、予算の帳尻あわせをしているように見受けられ、必要予算額が確保されていない状況が随所に見受けられ、非常に危険。
河村市長肝いり事業 (代表的なもののみ以下記載)
・まるはち総がかり住んでちょう!ナゴヤ大作戦 首都圏に赴き、市長の顔のポスター貼付やビラを配布し、会社、人の誘致を行う。 必要額 8500万円
・地域委員会の開催 地域委員会モデル8学区運営費、追加募集8学区運営費。必要額6500万円
2010年度以降さらに拡大予定 全学区1000万円の想定で、最大で260億円を超える予算が必要。
・市民税10%減税 法人市民税、市民税の税額を10%引き下げる。必要額161億円
2010年度以降は200億円以上必要
主な削減事業 (ひび健太郎の所属する教育委員会、子供青少年局分のみ以下記載)
・私立高校補助金、私立幼稚園補助金の見直し(現状維持の場合は24774万円)
民主党政府法案の高等学校授業料無償化を受け、私立高等学校授業料の補助金見直しを行い、国の支給額が増えた半面、名古屋市の支給額が減額。
・保育園利用料金の見直し、3人目の子どもへの補助事業の廃止(維持存続の場合34175万円)
現在、所得に応じて保育料が一律に徴収されているが、保育料を時間区分で分けて2段階の保育料を設定。事実上の値上げ。また、3人目の子どもへの支援事業として、月額二万円の補助、または、保育料の減免を行ってきた。来年度で縮小、廃止の方針。
・学童保育への助成制度の変更に伴う負担増 (激変緩和措置を100%行った場合900万円)
学童保育への補助金が国基準となるのに合わせて、増額となる学童がある半面、規模により減額となる学童がある。減額となると、保護者負担が重くなるため、支援施策として減額をどうするかが争点。
・自動車図書館の廃止 (存続した場合3000万円)
自動車図書館の廃止案が市長より提案。自動車図書館は図書館が遠い方、体が不自由な方、高齢の方の利用が多く、たくさんの廃止反対署名が集まっている。
2010年度の予算についての私の意見。
以前から、経済の落ち込みによる市税収入減、市民税10%減税や、その他河村市政が新たに始めた事業等で前年度よりも大きく予算額が膨らむのではないかと様々な憶測が飛んでいました。実際に予算説明書を見ると、前年度比で、市債の発行額が200億円上積みとなり、全体としては現時点で440億円の一般会計の増額となりました。
市民税10%減税と経済の落ち込みにより、大幅な減収額を抱えていますが、それを埋める大きなクッションとなったのはやはり人件費のカットで、かなりの減収分吸収の要因となっています。
その是非には、大きな疑問の余地がありますが、今回の予算を見て、全体としての私の感ずるところは、外郭団体等の会計が非常によく見直されている点において、功ありと感じます。しかし他方では、減税や市税収入の落ち込みの読みが甘く、さらには、減収分を人件費カットや、一時的な麻薬でしかない不動産売却等で充てている点が気になります。各局からも2010年度は乗り切っても、次年度は打つ手なしとの声も聞こえてきます。2010年度は乗り切ったとしても、毎年都合よく売却不動産が出てくるはずもなく、次年度以降市債の発行額がさらに増大するのは見えますし、そうしないためには、市民サービスを大きく切り捨てるしか手がなくなってしまいます。
現に2010年度予算では、市民税10%減税、経済落ち込みによる税収減が響き、私の所管局の教育子供委員会分だけでも、「保育料の2段階料金制の導入(保護者負担増額)、第三子への補助事業の廃止(子育て支援、少子化対策の廃止)、私立高校補助、幼稚園授業料補助の見直し(減額)、自動車図書館の廃止、各種補助事業(児童養護施設への事業補助金削減等)など減額、廃止施策が市長によってたくさん盛り込まれています。
市長は「10%減税による市民サービスのカットは絶対しない」と明言しての減税条例可決でしたが、予算に出てきたのは、市民サービスのカットが多く盛り込まれています。厳しい財政状況の中で、見直しは必要だと思いますが、10%減税で税収の落ち込みがあるからこそ、2010年度は市民サービスの低下には慎重を期すべきで、これでは減税と引き換えに諸々の事業の廃止、中止を選択したといわれてもその指摘を免れることはできないでしょう。
また、今回の経済落ち込みによる税収減の算出に使用されている1.4%減の数字も、総務省が地方自治体に示している税収減見込み平均5.7%の数字よりも大幅に甘い数字が用いられています。横浜市では5.3%減、大阪市では5.0%の減収を見込んでいるにも関わらず、名古屋市ではトヨタの一連の問題の後で、さらに減収の可能性もあるなかで、1.4%減の読みは市民税10%減税の影響を少なく見せる為の粉飾とも思えるほど、甘い読みとなっています。
甘い読みをしても来年度、名古屋市は1230億円の市債を発行する予定となっており、市税収入の予定額は5000億円弱、市債を除く補助金等を加えた総収入額は9115億円。それに対し歳出総額は10400億円、そして上記の指摘通り、収入が予測よりも落ち込めば、さらに市債の増大が予想されます。
西郷南洲(隆盛)はこういう言葉を残しています。
入るを量りて出づるを制するの外、更に他の術数無し。一切の入るを以て、百般の制限を定め、会計を総理する者、身を以て制を守り、定制を超過せしむ可からず。(以下省略)
この意味は、会計出納は、すべての制度の基本で、あらゆる事業はこれによって成り立ち、秩序ある国家を創る上で最重要事なので、慎重にしなければならない。その方法は、収入の範囲内で、支出を押える以外にない。収入の範囲で事業を制限し、会計の総責任者は一身をかけてこの制度を守り、定められた予算を超えてはならない。時勢にまかせ制限を緩くして、支出を優先し、それに合わせ収入を計算すれば、結局国民から重税を徴収するしか方法はなくなるだろう。もしそうなれば、たとえ事業は一時的に進むように見えても、国力が疲弊して、ついには救い難い事になるだろう。と説いています。
私もこの考え方が基本にあります。すぐには無理でも、まずは市債発行を減らし、止めることを優先すべきで、河村市長の言う、借金は財産だからいくら借金を増やしてもいいという考えで、市債を増やしていくと、結果として無理な減税が将来の大増税につながる可能性が非常に高いのではないでしょうか。市長は強力な情報発信力と世論を背景に強硬に主張を通しますが、本当に市民の将来ために、どう行動すべきか考えたときに、現在の進んでいる方向でいいのか、悩みます。
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